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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ

ひとひらの水彩 in Watercolors

松原智美(クラシックアコーディオン)

WAONCD-340 / 61min Stereo / CD(HQCD) 2018年3月31日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956343
解説:松村洋一郎(日本語、英語)
レコード芸術誌〈特選盤〉  Stereo誌「この音を聴け!」高崎素行氏〈推薦〉
CDジャーナル誌〈イチ押し〉中野和雄氏選

日本には数少ないクラシックアコーディオン奏者 松原智美のソロアルバム。6オクターブに及ぶ音域と数種の音色を持つ左右共にボタン式鍵盤の楽器で奏でる世界の名曲。息づく楽器ならではの多彩な表情が、水彩画にも似たたおやかな世界を描き出し、記憶に埋もれた懐かしさを呼び覚ます。聞いているといつの間にかメロディーを口ずさんでしまうような、親しみやすいアルバムです。改良型金田式DCアンプマイクと5.6MHz DSDによる高品位録音です。


[収録曲目]

  • デオダ・ドゥ・セヴラック 《休暇の日々から》第1集
    1. シューマンへの祈り
    2. お祖母さまが撫でてくれる
    3. ちいさなお隣さんたちが訪ねてくる
    4. 教会のスイス人に扮装したトト
    5. ミミは公爵夫人の扮装をする
    6. 公園でのロンド
    7. 古いオルゴールが聴こえるとき
    8. ロマンティックなワルツ
  • エルッキ・メラルティン
    1. 蝶のワルツ Op.22 No.17
  • W.A.モーツァルト
    1. グラスハーモニカのためのアダージョ KV356(617a)
    2. 「あぁ、ママに言うわ」による12の変奏曲 KV265(300e)
  • ジャン・シベリウス
    1. エチュード Op.76 No.2
    2. ポプラ Op.75 No.3
  • 細川俊夫
    1. メロディア
  • エドヴァルド・グリーグ
    1. 夏の夕べ Op.71 No.2

[演奏者プロフィール]

松原智美 まつばら ともみ
大阪府生まれ。8歳よりアコーディオンに親しむ。高校卒業後、クラシックアコーディオンを学ぶため渡仏。パリ市立音楽院を経て、フォルクヴァング芸術大学(独)・アコーディオン科芸術家コースを修了。マックス・ボネ、御喜美江各氏に師事。在独中、カールスト音楽学校のアコーディオン講師を務める。第5回JAA国際アコーディオンコンクール(東京)第3位入賞。第9回現代音楽演奏コンクール「競楽Ⅸ」(東京)入選。これまでに、読売日本交響楽団定期演奏会、日本音楽コンクール作曲部門本選会、Composer Group Cue作品展vol.7、茨木新作音楽展、金沢ナイトミュージアム2014、マリインスキー歌劇場管弦楽団特別演奏会(指揮:ワレリー・ゲルギエフ)等に出演。読売日本交響楽団、東京シンフォニエッタ、アール・レスピラン、藝大フィルハーモニ ア、東京室内管弦楽団、京都フィルハーモニー室内合奏団、マリインスキー歌劇場管弦楽団等と共演。  アコーディオンソロ・室内楽曲の委嘱・初演、新たなアコーディオンのためのレパートリーの開拓など精力的な演奏活動を展開する傍ら、大阪・奈良でアコーディオン教室を主宰。公開セミナーの企画、奈良教育大学でのアコーディオン特別講座を行うなど楽器の認知・普及にも尽力している。
〈オフィシャルサイト〉


[使用楽器]

PIGINI Sirius
Descant : E-g4, double cassotto, 15 Stops 16’+ 8’+ 8’+ 4’
Bass : E1-cis3, 5 Stops 8’+ 8’+ 2’


[Recording Data]

録音日時・場所
2017年9月20日〜22日 エブノ泉の森ホール(小)
[ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
使用マイク(ステレオペア)
改良型金田式DCアンプマイク Schoeps MK2H 無指向性カプセル装着
設計・製作 : 毛利忠晴 (PureT Records), 2013年, 2015年改造
セッティング
Pair microphones A-B stereo
プリアンプ
PT-MPP02 改良型金田式DCアンプマイク専用 非平衡−平衡変換アンプ及び高品位電源
設計・製作 : 毛利忠晴 (PureT Records), 2017年
レコーダー
TASCAM DA-3000
DSD to PCM converter
Weiss Saracon-DSD
  • Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Assistant Director : Masakazu Uehata 上畑正和
  • Assistant : Yoko Ayabe 綾部曜子
  • Translation : Masaomi Yanagisawa 柳沢正臣
  • Cover design & Art works : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉

[録音のこだわり]

アコーディオンといえば、その形であるとか、演奏の仕方であるとか、出て来る音色であるとかについて大抵の方が想像のつく楽器だろうと思います。今回のクラシックアコーディオンもその想像されるであるものからそう大きくハズレるものではありません。でも、かなり想像を裏切るものでもあります。まずピアノのような鍵盤はありません。全部ボタンです。隣り合わせのボタンは短三度の関係で並んでいて、片手で5オクターブを超える鍵盤が並ぶ上に容易に2オクターブくらいの範囲に手が届きます。左手もボタン式で同様。両手では6オクターブを超える楽器です。多数のストップを持ち、音色もいろいろに組み合わせて替えることができます。つまりちょっとしたリードオルガンくらいの規模を持つ楽器なのです。当然出てくる音もそれなりに複雑で、音域も音量もかなり幅があります。これがアコーディオンの音?と思うような重低音もあります。こういう楽器を録るには響きが豊かでそこそこの容積のある部屋が最も適していますが、そういう場所で録音に適した静かな建物というのはなかなかありません。そこで響きの美しいホールをお借りして録るわけですが、そうすると楽器と壁との距離が遠く、初期反射が返ってくるまでの時間が長いためにこの手の楽器のスピード感が損なわれてしまうのです。もともと出音に鋭いアタックがありませんから、スピード感を失うとボケボケな感じになりやすいのです。そこで楽器の近くに反射板を置くことを思いつきました。事前の下見のときに聞いているとそんなに大きな反射板でなくて良さそうでしたので、60cm/90cmの壁構造材をS環でウマに吊るして楽器の両サイドに設置しました。ウマと板の間には豚皮を挟んで鳴きどめしました。適当なアタックが拾えてかつ音場を乱さないように距離と向きを調整してあります。適度な距離感と豊かな響きとがうまく両立できたと思います。今回特に電源部を高品質化し、出力にも非平衡-平衡変換アンプを備え、音質的に一段とグレードアップした2017年モデル改良型金田式DCアンプマイクを用いてのペアマイクでステレオDSD収録しました。高音質CDであるHQCDで制作しています。楽しめる素敵なアルバムに仕上がりました。