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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ

G.P.テレマン 12の無伴奏ファンタジア

本村睦幸(リコーダー)

WAONCD-300 / 62min Stereo / CD 2015年6月16日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956305
解説:本村睦幸/佐藤康太(日本語、英語)
レコード芸術誌〈準特選・優秀録音〉 朝日新聞〈推薦〉

リコーダー音楽の世界を広げる活動が注目されている本村睦幸さんが、前作「無伴奏リコーダー600年の旅」(WAONCD-140)の頃から構想を重ね、満を持してリリースする無伴奏リコーダー第2集です。3本の楽器を持ち替え全曲原調で演奏(a'=466)。残響を活かした録音で、この作品の擬多声的な旋律が明確に浮かび上がり、後期バロックの時点でテレマンが提示した無伴奏音楽の可能性を遺憾なく表現しています。改良型金田式DCアンプマイクによるペアマイクステレオDSD録音。


[収録曲目]

  1. ファンタジア 第1番 イ長調 Vivace - adagio allegro… / Allegro
  2. ファンタジア 第2番 イ短調 Grave, Vivace, Adagio / Allegro
  3. ファンタジア 第3番 ロ短調 Largo - vivace - largo - vivace / Allegro
  4. ファンタジア 第4番 変ロ長調 Andante / Allegro / Presto
  5. ファンタジア 第5番 ハ長調 Presto - largo - presto - dolce / Allegro / Allegro
  6. ファンタジア 第6番 ニ短調 Dolce / Allegro / Spirituoso
  7. ファンタジア 第7番 ニ長調 Alla Francese / Presto
  8. ファンタジア 第8番 ホ短調 Largo / Spirituoso / Allegro
  9. ファンタジア 第9番 ホ長調 Affettuoso / Allegro / Grave / Vivace
  10. ファンタジア 第10番 嬰ヘ短調 A tempo giusto / Presto / Moderato
  11. ファンタジア 第11番 ト長調 Allegro / Adagio / Vivace / Allegro
  12. ファンタジア 第12番 ト短調 Grave - allegro - grave - allegro - Dolce - Allegro / Presto

[演奏者プロフィール]

本村睦幸 もとむら むつゆき
本村睦幸は、アムステルダムでワルター・ファン・ハウエとジャネット・ファン・ウィンガーデンに師事した後、90年代にオランダを拠点とした活動を続け、2001年に帰国した。アンサンブル〈ルストホッファース〉などを経て、現在は東京を中心にレパートリーを網羅的に取り上げるリサイタルシリーズを展開しているほか、アンサンブルのための現代作品の委嘱初演など、リコーダー音楽の世界を広げる活動が注目されている。前作《無伴奏リコーダー600年の旅》では、中世から現代音楽に至るまでの様々な様式に対する深い洞察と圧倒的テクニックで、リコーダー1本だけでの演奏がどれだけ多彩であるかを聴かせたが、今回のこの録音では、後期バロックの時点でテレマンが提示した無伴奏音楽の可能性を遺憾なく表現しきっている。リコーダー特性を十二分に活かして、現代の管楽器からは得られない表現を追求して来た本村ならではの演奏と言えるだろう。

Photo by Kazuhiro Kobushi (FUJIFILM X-E1, Leica Summilux-R 50/f1.4 II with Metabones Speed Booster adapter)


[使用楽器]

  • Track 1, 2, 6, 7, 11
  • ハイツに基づくアルトリコーダー(a'=392, f'管):斉藤文誉(アムステルダム 2014年)
  • Alto recorder in f' (a'=392) after Heitz: Fumitaka Saito (Amsterdam, 2014)
  • Track 3, 8, 9, 10
  • ブレッサンに基づくアルトリコーダー(a'=392, f'管):斉藤文誉(アムステルダム 1991年)
  • Alto recorder in f' (a'=392) after Bressan: Fumitaka Saito (Amsterdam, 1991)
  • Track 4, 5, 12
  • ブレッサンアルト拡大型のd'管リコーダー(a'=415):斉藤文誉(アムステルダム 1993年)
  • Recorder in d' (a'=415), enlarged model after Bressan alto: Fumitaka Saito (Amsterdam, 1993)
    • Recorders in f' at a'=392 played as recorders in d' at a'=466.
    • Recorder in d' at a'=415 played as recorder in c' at a'=466.

[Recording Data]

録音日時・場所
2014年10月8日~10日 神奈川県立相模湖交流センター
[ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
使用マイク
改良型金田式DCアンプマイク Schoeps MK2H 無指向性カプセル装着
設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2013年作
セッティング
Pair microphones A-B stereo
ラインアンプ
Millennia Media HV-3C type I
レコーダー
TASCAM DA-3000
DSD to PCM converter
Weiss Saracon-DSD
  • Excutive Producer: Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Recording & Editing: Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Assistant Director: Michiyo Arai 新井道代 / Mayumi Kunimi 國見檀弓
  • English Editing: David Sprague / Wolfgang Hirschmann
  • Cover design & Art works: Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
  • Photograph : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏

[録音のこだわり]

前作の「無伴奏リコーダー600年の旅」では、リコーダーを中央に定位させるのと、豊かな残響をとらえるために5本のマイクを使った特殊なセッティングを行いました。しかし今回は改良型金田式DCアンプマイクの音の検出能力が非常に高いので、ペアマイクだけで収録できました。このテレマンのファンタジアは、ソロ楽器の演奏でありながら同時に複数の旋律が聞こえてくる擬多声的な構成になっています。ただ、そう聞こえるためには充分に長い残響を伴って演奏する必要があります。残響成分を増やすためにホールの後ろ半分の座席を全部格納してもらいました。これで充分な残響が得られました。もちろん電気的な残響を付加するようなことはいっさいしていません。全部生残響です。一方で座席を格納したためにホール内の凹凸が減少してしまいますから音の拡散も減ってきます。拡散が減ると音の方向をとらえることが難しくなり、音像がぼけることになります。そこで本村さんのまわりにいくつものパイプ椅子を置き、発音体のそばで充分拡散させることで音像定位を得ています。結果として安定した音像定位を得つつ擬多声的な旋律が充分に聞こえてくるだけの残響を取り込むことができました。この曲の楽しさを充分に味わっていただけると思います。

Photo by Kazuhiro Kobushi (FUJIFILM X-E1, Leica Summilux-R 50/f1.4 II with Metabones Speed Booster adapter)