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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ Exceptional Audio Recording ジャケットイメージ
WAONXA-246/247 2DVDs
192kHz/96kHz 24bit WAVE(PCM)


ジャケットイメージWAONXA-248 1DVD
2.8224MHz DSDIFF

夜の祈り Nachtgebet

青木洋也(カウンターテナー) 浅井美紀(オルガン)

WAONCD-240 / 69min Stereo / CD 2013年12月17日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956244
WAONXA-246/247 / 192kHz/96kHz 24bit WAVE DVD-ROM 2014年11月22日発売 オープンプライス 4560205953298
WAONXA-248 / 2.8224MHz DSDIFF DVD-ROM 2014年11月22日発売 オープンプライス 4560205953304

解説:松村洋一郎(日本語、英語)

レコード芸術誌〈準推薦〉 

BCJをはじめいくつもの古楽アンサンブルでソリストを務めるカウンターテナー青木洋也さんが近・現代の宗教曲を通常のピアノ伴奏ではなくパイプオルガンの伴奏で歌います。オルガン伴奏が指定されながらピアノ伴奏で演奏されることが多いヴォルフの歌曲は本来の姿を取り戻したと言えます。水戸芸術館のエントランスホールで収録された美しい響きと祈りに満ちたアルバムです。A-Bペアを2組使ったマルチマイクによるDSD録音。


[収録曲目]

  • メンデルスゾーン
    1. ただ主だけが op.112/1
    2. 夜の歌 op.71/6
  • ヴォルフ
    1. 今こそわたしはあなたのもの「スペイン歌曲集」より
    2. 歩きましょう マリア「スペイン歌曲集」より
    3. ああ 御子の瞳は「スペイン歌曲集」より
  • メンデルスゾーン
    • プレリュードとフーガ op.37/1
    1. プレリュード
    2. フーガ
  • ラインベルガー
    • 6つの宗教的歌曲 op.157
    1. 見よ、どれだけの愛を
    2. 私は主のもの
    3. もし すべてのひとが
    4. 主の祈り
    5. 夜の祈り
    6. アヴェ・マリア
  • ヴォルフ
    1. 眠れる御子よ 「メーリケ歌曲集」より
    2. 祈り 「メーリケ歌曲集」より

[演奏者プロフィール]

青木洋也 あおき ひろや(中央)
東京藝術大学大学院修士課程古楽科修了。エリザベト音楽大学大学院宗教音楽学専攻修了。バッハ・コレギウム・ジャパンを始めとする古楽アンサンブルや演奏会ソリストとして国内外の公演・録音に参加する他、アイルラ_ンド・ダブリンやドイツ・ライプツィヒ等でアルトソロをつとめるなど活躍の場を広げている。2012年10月にはグルックの歌劇「オルフエウス」(森鴎外訳)文京シビックホールのオルフエウス役で出演、絶賛される。2011年ソロCD「大いなる神秘」をレグルスよりリリース。合唱指揮の分野でも高い評価を得ている。「ヴォーカル・アンサンブル カペラ」「アンサンブル小瑠璃」メンバー。

浅井美紀 あさい みき(右)
東京藝術大学音楽学部器楽科オルガン専攻卒業、同大学院音楽研究科修士課程修了。安宅賞およびアカンサス音楽賞受賞。横浜みなとみらいホール・オルガニスト・インターンシップ修了。オルガンを池田泉、廣野嗣雄、早島万紀子、三浦はつみ、チェンバロを故・小島芳子、通奏低音を今井奈緒子、廣野嗣雄の各氏に師事。これまでに東京藝術大学助手、青山学院高等部講師をつとめた。現在、青山学院高等部オルガニスト、水戸芸術館主催「幼児のためのパイプオルガン見学会」オルガニスト。日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会会員。


[使用楽器]

The Organ at Art Tower Mito (Mito Geijutsu kan)

Coupler :
I/II III/II III/I, I/P II/P III/P

Range :
Manual keyboard - C to a3 (58 notes)
Pedal Keyboard - C to g1 (32 notes)

Pipes :
46 active stops, 3283 pipes in total

Design and manufacture :
MaNa Orgelbau AG, 1990, Japan 


[Recording Data]

録音日時・場所
2012年9月23日~26日 水戸芸術館 エントランスホール
[ 2.8224MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
使用マイク(マルチマイク)
MBHO MBP604/KA100DK x4
セッティング
Double A-B Stereo
プリアンプ
Millennia Media HV-3C type I
Grace Design model 201
あオーディオミキサ
Current CSP162
レコーダー
TASCAM DV-RA1000
マスタークロック
Rosendahl nanosyncs
DSD to PCM converter
Weiss Saracon-DSD
  • Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Coproducer : Yoshié Kaneiwa 兼岩好江(officeARCHES)
  • Assistant Director : Asuka Takahahsi 高橋明日香
  • Assistant Organist : Yuko Noda 野田優子
  • Organ Maintenance & Tuning : Joji Matsuzaki 松崎譲二(Orgelbaumeister, MaNa Orgelbau AG)
  • Translation : Sakurako Mishiro 三城桜子
  • Supervision Cooperation : Tomohei Hori 堀 朋平
  • Cover design & Art works : Takuma Fukazawa 深澤琢磨(Southern Company Co.,Ltd)
  • Photograph : Kazuhiro Kobushi

[録音のこだわり]

いつもの録音セッションは、その自然な音場再現性から2本のマイクによるステレオ収録を信条としているわけですが、今回はビルの3階くらいの高さにあるオルガンと床面にいる歌い手さんとを捉えなくてはならず、2本だけで録ることには少し無理がありました。一応2本だけでも録れなくはない位置にメインマイクをセットし、その上で歌い手さんにスポットマイクを加えています。通常歌い手さんのスポットマイクは1本にしますが、このスポットマイクから録った音も音場感を大切にしたかったので2本にしています。実はその2ペアのステレオマイクが拾うそれぞれの音場感が重なったときにいびつにならないように、ペアマイクの間隔や、それぞれのペア同士の距離の調整がとても難しくなりました。その関係で歌い手さんのスポットマイクの位置があまり低くできず、青木さんには台に上がって歌ってもらうことになりました。さらに全てのマイクに同じものを使ったこともあり、結果、おそらく言われなければまるで2本のマイクで録ったかのような自然な音場再現ができています。ちなみにオルガンソロは、メインのペアマイク2本のみで録っています。2本のとき、4本のときの違いがわかりますか?
さて、大変だったのは、この水戸芸術館のエントランスホールはその名の通り日中はお客様が入ってこられる入り口です。ですから収録は閉館後の夜から始まるのですが、その度にマイクや台などのセッティングをやり直さなければなりませんでした。4日間の収録でしたから、セッティングと片付けを4回ずつやったわけです。そしてみなが寝静まった夜中に録音しているというわけ。4日間にわたり、青木さんの乗る台を寸分たがわない位置に、しかもきしみ音ひとつでないように毎回組み上げ、青木さんの口の動きを浅井さんが見られるようにビデオカメラまでセットして下さった水戸芸術館の舞台スタッフの方々には心から感謝しています。素晴らしい仕事ぶりでした。そのようにしてできたこの録音、深い響きのパイプオルガンの音の前にカウンターテナーの繊細な歌声がぽっと浮かび上がるようなすてきな音のイメージです。人工的な残響はいっさい加えていません。例によってリミッターも使っていませんから平均の音量はやや低めです。お二人の優しい演奏もあって、ゆったりした気分で聴いていただけば、まさに夜に録った「夜の祈り」が静かに広がってゆくのが感じていただけるでしょう。

このアルバムの[Hi-res盤]のひとつの特徴は、ワオンレーベルのハイレゾタイトルの中で初めてのペアマイク収録でないものだと言う事でしょう。いつもはその自然な音場再現性から2本のマイクによるステレオ収録を信条としているわけですが、これに関してはビルの3階くらいの高さにあるオルガンと床面にいる歌い手さんとを捉えなくてはならず、2本だけで録ることには少し無理がありました。そこで音像がずれずに重なるようにうまく調整された2組のペアマイクを組み合わせて録りました。条件的には難しい面もありましたが、幸いハイレゾで聴いていただいてもペアマイクでの収録に対して大きな違和感を感じないものになっているのではないかと思います。